
六甲高山植物園で見られる珍しい高山植物の魅力
2025年3月中旬、うららかに晴れた暖かい日に六甲高山植物園を訪れました。
3月前半、気温が低い日が続いたので木々はまだ芽吹いていませんでしたが、地表近くではキンポウゲ科の小さな植物たちを楽しむことができました。
六甲高山植物園で見られるキンポウゲ科の種類

キンポウゲ科は、一般的に知られているアネモネやシュウメイギクがあげられます。
六甲高山植物園では今まで見たことがないような、とても小さな可愛らしいキンポウゲ科の植物が花を咲かせていたのをご紹介いたします。
キンポウゲ科 オオスミソウ

オオスミソウデータ
科名:キンポウゲ科
属名:ミスミソウ属
和名:大三角草
学名:Hepatica nobilis var.japonica form.magna
多年草
大きなくくりで雪割草として知られていて、主に日本海側の山形県以南で見ることができるそうです。オオスミソウは色の種類が豊富であり、六甲高山植物園でも数種類の色を見ることができました。多年草で、常緑で冬を越すそうです。



この色や形状は、アネモネにそっくりです。

2~3センチ程度の小さな花が咲き、枯れ葉の茶色に覆われた地表付近に群生しています。春の訪れを感じさせてくれます。
キンポウゲ科 キクザキイチゲ

キクザキイチゲデータ
科名:キンポウゲ科
属名:イチリンソウ属
和名:菊咲一華
学名:Anemone pseudoaltaica H.Hara
多年草

キクザキイチゲは日本の特産種で北海道から近畿地方以北に自生しているそうです。一瞬一重咲の小菊を思わせるような花姿に、名前の由来を感じます。
キンポウゲ科セツブンソウ

セツブンソウデータ
科名:キンポウゲ科
属名:セツブンソウ属
和名:節分草
学名:Eranthis pinnatifida
多年草
セツブンソウは日本の特産種で、関東以西に分布する。花びらに見えるのは萼片(ガク)で、黄色い丸い部分が花弁になっている。花の大きさは、2~2.5㎝で、よく見ると可愛らしい花と目が合う。

キンポウゲ科 フクジュソウ

フクジュソウデータ
科名:キンポウゲ科
属名:フクジュソウ属
和名:福寿草
学名:Adonis ramosa
多年草
春を告げる代表的な花であり、元日草、朔日草(ついたちそう)などの別名から新年を祝う意味があり、縁起の良い花とされてきた。

可憐な花であるが、全草に毒性があり、早春の芽を出した頃はフキノトウと間違われ、葉はヨモギと似ているため、両方において強い毒性があるため絶対に口にしてはいけません。
キンポウゲ科クリスマスローズ

クリスマスローズは、残念ながらまだ咲いていませんでしたが、西入口入ってすぐと売店の中にクリスマスリーズの苗が販売されていました。(期間限定)
クリスマスローズデータ
科名:キンポウゲ科
属名:ヘレボルス属
学名:Helleborus
多年草
クリスマスローズの学名Helleborusは「殺す植物」という意味があり、全草に毒があります。特に根や茎は毒性が強いため、植え替えや剪定の時は手袋をはめるなどの対処をしましょう。
六甲高山植物園でみられる春の有名な高山植物の紹介
ここからはキンポウゲ科の花以外の植物をご紹介いたします。
サクラソウ科の植物
サクラソウ科プリムラ・ブルガリス

プリムラ・ブルガリス
科名:サクラソウ科
属名:サクラソウ属
学名:Primula vulgaris
和名:一華桜草
別名:プリムローズ
多年草
英国ではプリムローズと呼ばれ、ヨーロッパに自生し、古くから親しまれている野生種の原種のサクラソウ。

ガ―トルート・ジーキルとプリムラ・ブルガリス
筆者はイギリスの女性庭園家、ガ―トルート・ジーキルの研究をライフワークとしております。このコラムを書いている中で、ジーキルがこのプリムローズを愛していたことを思い出し、現物を見れたことに感動しました。
植物がお好きな人たちは、ガーデナーも多いと思いますが、植物を育てることは日本もイギリスも、またほかの国も変わらず植物愛が時間も人も繋いでくれるのだと思っています。

図版出展:Betty Massingham. Miss Jekyll portrait of Great Gardener. Country Life Limited. 1966
ガ―トルート・ジーキルは1885年にプリムラ・コンソロイデス・ジキラエ(Primula cortusoides Jekyllae)と、1886年にプリムラ・マンステッド・バンチ(Primula ‘Munstead Bunch’)が、RHS(The Royal Horticultural Society/王立園芸協会)からブロンズ賞を授与されました。
1970年代前半のころ、ガ―トルート・ジーキルは美しいレモンイエローのサクラソウに出会い、それから45年に渡り、プリムラ・ポリアンサスの栽培と改良に多大な労力かけました。彼女が作ったプリムラは、マンステッド・プリムローズとして、園芸界に知られるようになっていきます。
歴史と今がつながる瞬間がたまらなく楽しく、面白いと思う瞬間です。彼女のことはこれから書いていきたいと思っています。
サクラソウ科 ディオニシア・アレチオイデス

色鮮やかなサクラソウのディオニシア・アレチオイデスはイランの3000m程の山に生える高山植物です。下に見える濃いグリーンの葉は、シクラメンです。
先のガ―トルート・ジーキルが、地中海に浮かぶロードス島を旅をした時に、「岩の北側の涼しい日陰には必ずと言っていいほど生えている、小さなシクラメンが楽しいです」と日記にしたためています。
六甲高山植物園で見られる季節の花 園内マップ

園内には1500種を超える高山植物が植えられているそうです。
四季折々の植物が咲いている様子はこちらからご覧になれます。
六甲高山植物園フラワーシーズン
ランチができるカフェもあります

スパゲティやカレー、パンケーキなどのランチやカフェが楽しめます。
山小屋カフェ エーデルワイスは園の外側にあるのですが、入場券を見せれば再入場できますので安心してご利用ください。
六甲高山植物園の情報 入場料と営業時間

六甲高山植物園所在地
〒657-0101 神戸市灘区六甲山町北六甲4512-150
TEL:078-891-1247、FAX:078-891-0137
六甲高山植物園の入場料と営業時間
入園料:中学生以上 900円、小人(4歳~小学生)450円 (2025年3月現在)
営業時間:10:00~17:00(16:30受付終了)
休園日はサイトをご確認ください。六甲高山植物園Website
主なアクセス方法
【西入り口】
六甲山上バス「ミュージアム前」下車 徒歩約3分
【東入り口】
六甲山上バス「高山植物園」下車 徒歩約1分
【駐車場】
敷地内の駐車場が利用できます。 1日/1,000円 (GW・お盆など繁忙期は2,000円に変更)
六甲高山植物園の3月の風景
樹々がまだ芽吹いていないので、全体的に茶色の景色です。その中に小さな花色を見つけると、宝探しをしているような楽しさがありました。






おわりに

早春の六甲高山植物園の様子をご紹介させていただきました。
まだ見たことがない高山植物が咲き乱れる初夏、特に青いケシやアジサイを見るために再訪したいと思っています。。
皆様もぜひ来訪してみてください。
関連記事:【花の名所】奈良県 古都・藤原宮跡に咲く季節のお花たち

一般社団法人Flower Works Japan 代表理事の谷川文江です。
代表理事校であるAtelier F’sを主宰しています。
1996年アトリエフィーズをオープン。2013年一般社団法人フラワーワークスジャパンを設立、2015年アトリエフイーズを法人化。フラワーアレンジメントスクール経営をはじめ、講師の育成事業にも力を注いでいる。著書に『切り花を2週間長持ちさせる はじめての花のある暮らし』(家の光協会)がある。京都芸術大学卒。
COMMENT ON FACEBOOK