サルビアと聞いて真っ先に思いつくのは、小学校の花壇や道路脇に咲く真っ赤な花というイメージですが、実はサルビアにはたくさんの種類があり、その数はなんと900種もあると言われています。今回はたくさんの種類のあるサルビアの中でも、公園やイングリッシュガーデンにも植えられている、人気のある種類をご紹介いたします。
サルビアについて
サルビアは観賞用の園芸種から、セージで知られるハーブと実に様々な種類があります。
サルビア(Salvia)はラテン語で、セージ(Sage)は英語です。ラテン語のSalviaは「健康な」や「安全な」を意味する「Salvus」から由来していて、英語のSageは「賢者」を意味すると言われています。品種や地域差にもよりますが、種類が豊富なサルビアは開花期間が4月?12月と長いので、イングリッシュガーデンなどでも欠かせない植物の一つになっています。
コンパニオンプランツとしてのサルビア
サルビアは一緒に植えると病気や害虫の被害から守り、成長を促進させる「コンパニオンプランツ」としてもイングリッシュガーデンやローズガーデンで重宝されています。
コンパニオンプランツとは?
コンパニオンプランツとは、花や野菜など一緒に植えるとお互い助け合って成長する植物のことを言います。農薬ほどの効果はなくても、植物同士の自然の力で病害虫を防ぐなどの効果が期待できるとされ、古くは農薬などが無かった、アメリカインディアンの時代から始まったと言われています。
コンパニオンプランツの効果
- 病害虫を防ぐ
- 土壌病害を防ぐ
- 成育の促進
- 雑草や乾燥から守る
サルビアは害虫の多い時期によく育つため、庭の彩りだけでなく、コンパニオンプランツとしても重宝されています。 今回はサルビアの園芸種と、相性の良いコンパニオンプランツをご紹介いたします。
サルビアの種類
サルビア・スプレンデンス
科名:シソ科(非耐寒性多年草)一年草扱い
属名:サルビア属
別名:ヒゴロモソウ、スカーレッドセージ
花期:6月-11月
草丈:30-60cm
幅 :30-60cm
花色:赤、ピンク、紫、白、青、複色
最もポピュラーな品種で花壇や公園、道路脇などでよく見かけます。
夏の暑さには強い反面、寒さに弱いので、春まき一年草として扱われています。
育てやすく他の一年草や多年草とうまく調和します。
花壇、ボーダー、コンテナに適しています。コテージガーデン、カッティングガーデンやエッジングにも魅力を発揮します。
コンパニオンプランツ:ルドベキア、ジニア、カンナ、ナスタチウム、チカラシバ
サルビア・インディゴスパイヤーズ
科名:シソ科(多年草)
属名:サルビア属
別名:ラベンダーセージ
花期:5月-11月
草丈:90-120cm
幅 :60-90cm
花色:青紫、紫
丈夫で育てやすいです。水はけがよければ日なたから半日陰でも育ちます。
ボーダーの後部や縁取り、大量植え付けに最適です。自由な方向に咲く性質なので洋風や自然風の庭に合いますが、茂りすぎて周囲の草花を倒してしまうことがあるので、倒れないように支柱が必要になります。フラワーアレンジメントでも存在感を出します。
コンパニオンプランツ:ルドベキア、クロコスミア、ダリア、バーベナ
サルビア・アズレア
科名:シソ科(耐寒性多年草)
属名:サルビア属
別名:プレーリーサルビア、ブルーセージ、スカイブルーセージ
花期:9月-11月
草丈:90-150cm
幅 :60-120cm
花色:水色
爽やかな空色の花が魅力です。
真夏までは真っすぐ育ちますが、開花すると近くの植物に広がります。背が高くなるので夏に切り戻すと枝数も増えて綺麗に花を咲かせます。
暑さ寒さに強く、とても丈夫で育てやすい品種です。
コンパニオンプランツ:ヘリアンサス、ルドベキア、アキノキリンソウ、アスター
サルビア・ミクロフィラ
科名:シソ科(多年草)
属名:サルビア属
別名:チェリーセージ、ホットリップス、ベビーセージ
花期:4月-11月
草丈:60-90cm
幅 :60-90cm
花の色:赤、白、複色
二色の可愛らしい「ホットリップス」が代表的です。
この赤と白の割合は、気温によって変化するようです。気温が低いと白の割合が多く、高くなると赤の割合が多くなるようです。
初夏には赤くなり、夏の終わりには鮮やかな赤と白に変わり、だんだん日が短くなってくると白くなります。
花壇やボーダーに最適で、コテージガーデンやコンテナなどにも適しています。
コンパニオンプランツ:セダム、ヘレニウム、ロシアンセージ、カラマグロスティス
サルビア・グアラニティカ ブラック&ブルー
科名:シソ科(多年草)
属名:サルビア属
別名:アニスセンティッドセージ、メドーセージ(国内流通名)
花期:6月-11月
草丈:90-120cm
幅 :90-120cm
花の色:濃青、紫
萼(がく)が黒いのが特徴です。日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。
水やりは用土の土が乾いたらたっぷりと。過度の水やりは根腐れを起こすので気を付けましょう。
萼(がく)が緑のアルゼンチンスカイという品種などもあり、中央から後部のボーダーに適しています。
暖色で多年草のルドベキアや一年草のジニアなどともよくマッチします。
別名のメドーセージは、国内のみの流通名です。サルビア・プラテンシスの英名が、誤ってこの名で流通し、そのまま定着したと言われています。最近は正しい名前のサルビア・ガラニチカで流通するようになっているようです。
コンパニオンプランツ:アスター、アガスターシェ、アキレア、ルドベキア、ジニア
サルビア・レウカンサ
科名:シソ科(多年草)
属名:サルビア属
別名:アメジストセージ、ベルベットセージ、メキシカンブッシュセージ
花期:9月-12月
草丈:120-180cm
幅 :120-180cm
花の色:紫、白、ピンク
秋に咲く代表的なサルビアです。
ベルベットのようなところは萼(がく)で、その先に花が咲きます。
日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。
水やりは用土の土が乾いたらたっぷりと。過度の水やりは根腐れを起こすので気を付けましょう。
花壇、ボーダー、コンテナに適しています。切り花やドライフラワーでも利用されています。
コンパニオンプランツ:ハクチョウソウ、ラムズイヤー、クロコスミア、ファウンテングラス、メキシコヒマワリ、マリーゴールド、ランタナ
サルビア・インボルクラータ
科名:シソ科(多年草)
属名:サルビア属
別名:ローズリーフセージ
花期:7月-11月
草丈:100-150cm
幅 :50-100cm
花の色:ピンク
蕾を包むローズピンクの苞葉が特徴で、花が開き始めると落ちていきます。
インボルク(involucre)とは英語で「包む」という意味から由来しています。
日当たりが良く、やや乾燥気味の水はけの良い場所を好みます。
放任すると2m近くの大型になるので、6月頃に切り戻しておくと良いでしょう。
花壇、ミドルボーダー、壁側のボーダーや自然風の庭に適しています。
コンパニオンプランツ:ダリア、チカラシバ、ベロニカ、ペルシカリア・ポリモルファ、メキシコヒマワリ
サルビア・ネモローサ
科名:シソ科(耐寒性多年草)
属名:サルビア属
別名:ウッドランドセージ
花期:6月-9月
草丈:30-60cm
幅 :30-60cm
花の色:青紫、ピンク、白
花茎が黒褐色で真っ直ぐ立ち上がるのが特徴です。
日当たりが良く、やや乾燥気味の水はけの良い場所を好みます。寒さ暑さに強く、放任でも良く育つので様々なガーデンで育てやすいと人気です。
草丈がそれほど高くならないのでボーダーの中ほどから手前に植えると良いです。バラの株元に植えるととても豪華な景観になります。
コンパニオンプランツ:バラ、アキレア、ゼラニウム、キャットミント、アストランティア、セントランサス
サルビア・ディスコロール
科名:シソ科(多年草)
属名:サルビア属
別名:ディスコロールセージ、アンディアンシルバーリーフセージ、ペルヴィアンセージ
花期:5月-11月
草丈:60-90cm
幅 :60-90cm
花の色:深い青、紫、黒
白っぽいグリーンの萼(がく)と黒い花が特徴です。
「ディスコロール」とは「異なった色の」という意味で、花弁と萼(がく)の色が異なる植物に使われるラテン語です。
葉茎は粘り気のある綿毛で覆われています。日当たりが良く、水はけの良い場所を好みます。寒さと多湿に弱いので気を付けましょう。上品な花姿でお洒落なガーデンや切り花としても使われます。
コンパニオンプランツ:マンステッドラベンダー、ミニバラ、ハクチョウソウ
サルビアと相性の良いコンパニオンプランツ
コンパニオンプランツを選ぶポイント
日当たりと土壌の要件がとても大事です。
- 日当たりが良く、水はけの良い場所を好む植物
- 同じ時期に咲く花
を選んでみましょう。
サルビアと相性の良いコンパニオンプランツ参考例
- バーベナ (一年草、多年草)
- ダリア (多年草)
- ジニア (一年草)
- デイジー (一年草)
- ペチュニア (一年草、多年草)
- マリーゴールド (一年草、一部多年草)
- アキノキリンソウ(多年草)
おわりに
花の色形、質感、高さ、広がり方など種類が豊富なサルビアです。
色合わせも楽しみながら素敵なガーデンづくりの参考になれば幸いです。
ギフトショップ開業に向けて学んでおります。将来は、お花を受け取った方々が笑顔で、心が豊かになるようなギフトを提供できるショップを目指しています。またお花を通しての出会いを大切にし、そこから自分自身も日々成長していきたいと思っています。
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