
黄色いふわふわのミモザは、桜より少し早く咲き、春の訪れを告げる花として近年人気の植物です。2月初め頃から輸入のミモザ(フサアカシア)が花市場に出回り、国産のミモザ(ギンヨウアカシア)は、2月頃から3月にかけて出回ります。原産地はオーストラリアなどで、 オーストラリアではアカシアのことを 「ワトルツリー(Wattle Tree)」 と言うそうです。今回は、ミモザの種類と育て方をご紹介いたします。
ミモザの種類
ミモザの語源
一般的にミモザと呼ばれているお花は、アカシア(マメ科アカシア属)です。本来オジギソウ(マメ科オジギソウ属)の別名がネムリグサ、ミモザです。アカシアは、ヨーロッパに持ち込まれた時に「ミモザ(オジギソウ)に似たアカシア」ということで、「ミモザアカシア」と呼ばれたそうです。このことから、アカシアはミモザと呼ばれるようになりました。
ミモザの種類と特徴
アカシアは、1000種類以上あるといわれています。花が黄色くふわふわで可愛いだけでなく、葉の色や形もいろいろあって美しいです。よく見かける品種や特徴的品種をご紹介いたします。
1.ギンヨウアカシア
ギンヨウアカシア(銀葉アカシア)は、日本で一般的にミモザとして出回っています。葉の色がシルバー、葉の形がオジギソウのようで、5-6mに育ちます。

2.フサアカシア
フランスのミモザ祭りのミモザはフサアカシアです。ギンヨウアカシアより葉も花も大きく、大木(30mぐらい)になるものもあります。

3.ギンヨウアカシア・プルプレア
新葉が紫色、花も赤みがかっています。

4.アカシア・ポートリンカーンワトル
シルバーグリーンの細葉、花はうすい黄色

5.ブリスベン
グリーンの細葉、3-6mになります。


6.ブルーブッシュ
低木で花が小さい、ブルーグレーの細長いオリーブのような葉、ブッシュ状になります。

7.サンカクバアカシア
葉が三角

8.パールアカシア
丸く平たいシルバーリーフ、新芽が白くてきれいです。葉の表面に細かい毛がはえています。花は明るいレモン色、少し早咲きで、耐寒性があります。

9.デアネ
四季咲き、花がクリーム色
10.モニカ
小ぶり、早咲き、縦長の花
ミモザの育て方
オーストラリア原産で、成長がはやく、2-3年目で急激に大きくなります。根の張りが浅いので、強風で倒れることがあります。支柱を立ててるのも、倒れない一つの方法です。
植える場所
地植えの時は、移植を嫌うので最初から大きなスペースを空けておくのがいいでしょう。
鉢植えの時は、排水性のいい素焼き鉢かスリットのある鉢がおすすめです。梅雨の時期は軒下に置くのがいいでしょう。
用土
排水性、通気性、乾きやすい土(鹿沼土)をまぜるといいでしょう。
肥料
マメ科は自分で窒素を作ることができるので、地植えの時は肥料はほぼ必要ありません。鉢植えの時は肥料のやりすぎに注意しましょう。
水やり
原産国オーストラリアは日本より雨が少ないので、地植えの時は水やりはほぼ必要ありません。鉢植えの時は排水性通気性のいい鉢にして表面が乾いたら水やりしましょう。やりすぎに注意しましょう。
植付け
根が繊細なので、根鉢はあまりつぶさないほうが良いようです。鉢植えのときは、成長スピードがはやく下にのびていくので、下に土があると穴から下の土に根をのばしていきます。下に土がないところに置くかレンガなどの上に置いて鉢が土につかないようにすると良いでしょう。
せん定
花後にせん定をしましょう。透かしせん定が良いとされ、葉があるところでせん定しないと枯れることがあります。
害虫
カイガラムシやミノムシがつくことがあります。カイガラムシは、幼生の頃のですと簡単に掻き落とせますので、見つけたらこまめに対処しましょう。ミノムシは、見つけたら取り除きましょう。大量発生すると、大きな木でも枯れてしまうことがあります。
ミモザの日(国際女性デー)とミモザ祭り
3月8日はミモザの日(国際女性デー)
1944年イタリアで女性組合(Unione Donne in Italia)が発足して、翌年以降ミモザは国際女性デーのシンボルとして使われるようになりました。イタリアでは、国際女性デーは「ミモザの日」という呼び名が定着しています。
3月8日のミモザの日は、身近な女性へミモザの花を贈るのがイタリアの習慣です。
ミモザ祭り(フランス)
ミモザは、フランスで「黄金」や「太陽」を象徴する花として春の訪れを告げる花とされているようです。1931年から南仏コート・ダジュール(青い海岸)の街マンドリュー・ラ・ナーブルで2月に開かれるようになったそうです。今ではコート・ダジュールのあちこちの街で開かれています。
ミモザがフランスに入ってきた経緯は、18世紀の後半、当時植民地だったオーストラリアに行ったイギリス人のボタニストなどがオーストラリアから持ち帰った花の一つだそうです。
1850年頃、冬にバカンスで来ていたイギリス人の伯爵たちによって南フランスのいくつかの街(ニース、カンヌ,サン・ラファエルなど)に持ち込まれたそうです。1864年にはカンヌの城の庭に園芸家によって植えられたそうです。1880年頃には街のあちこちで咲き始めるようになり、19世紀後半には人の手を借りずに自然に毎年美しく花開くようになっていきました。ミモザ街道(コート・ダジュールにあるミモザの花があふれる街道)は、毎年「ミモザ祭り」が開催される街ポルム・レ・ミモザから、「香水の街」グラースまで130kmに及ぶそうです。
イギリスの気候では、今の南フランスのように自然に育つのは難しくキューガーデンでイギリスで初めてのミモザが咲いたと言われています。
ミモザを使ったフラワーアレンジメント
ミモザは切り花やドライフラワーとして使いやすいので、リースやスワッグにしてドライフラワーにしたり、フラワーアレンジメントにして楽しむことができます。
ミモザを使ったフラワーアレンジメント


ミモザの黄色に、黄色やオレンジを合わせるとビタミンカラーで気持ちが明るくなるようですね!
ミモザを使ったフラワーリース

ミモザと春の花のラナンキュラスやスィートピーを使っています。バラとガーベラをオレンジ色を選んで、色鮮やかなリースが出来上がりました。

ミモザとユーカリを使ったシンプルなリース。

ミモザのリースの飾る場所
ミモザとユーカリはドライフラワーになりますので、2倍楽しめます。
開け閉めするドアや、人が通るたびに触れる場所では、乾燥したミモザがぱらぱらと散ってきますので、直射日光の当たらない、高めの壁に飾ってください。
ミモザの種類と育て方、フラワーアレンジメントについてのまとめ
ミモザは比較的育てやすい植物ですので、興味を持たれた方は、育ててみて下さいね。庭で咲いたミモザで、フラワーアレンジメントを楽しむこともできます。ご参考にしていただけましたら嬉しく思います。
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