コラム

ワイルドフラワーとは?

ワイルドフラワーとは?

最近『ワイルドフラワー』という言葉をよく見かけませんか?
海外旅行のツアープランにも、ワイルドフラワーを見学するツアーが計画されるようになってきました。では、ワイルドフラワーとはどんなものなのでしょうか?

ワイルドフラワーって何?

ワイルドフラワーとは、その名の通り、さまざまな自然環境に自生する野生の花の総称のことを言います。
可憐な花を咲かせるもの、素朴な味わいのあるもの、ユニークな形をしたもの、群生して野原一面をカーペットのように彩るものなど、自然が生み出した多種多様な造形美をもったものがたくさんあります。

ワイルドフラワーが多い地域は?

ワイルドフラワーの多くは、オーストラリアや南アフリカなどの自然環境で自生しています。
野生環境が多く残っている国々に自生している植物で、野性味溢れ、個性的な形が特徴です。
特に、西オーストラリア州は、『ワイルドフラワーの州』(wildflower State)と呼ばれており、1万2000種類の多種多様な花々が自生しています。
そのうちの約8割が固有種だと言われています。
花々は、西オーストラリア州の北から咲き始め、7月上旬から12月中旬まで約5ヵ月間かけて広大な大地を南下しながら楽しめます。
ほかの大陸から離れ、独特の進化を遂げたオーストラリア大陸は、動物も固有種が多くいますが植生も特有の花や樹木が多くあります。

オーストラリアについて


オーストラリアには、北はゴンドワナの時代から息づく世界最古の熱帯雨林、北東沿岸には世界最大のサンゴ礁帯、グレートバリアリーフなどがあります。
また、大陸の内部に入れば国土の約80%を占める赤い砂漠が延々と続きます。
そこには、ウルル(エアーズロック)とよばれる奇岩などがあり、悠久のときがつくりあげた造形美を見せており、訪れる人を楽しませています。
さらにそこには植物同様、独自の進化をしてきたカンガルーやコアラなどの野生動物が生息しています。

オーストラリアのワイルドフラワーについて

オーストラリア大陸は、4000万年もの昔から孤立し、独自の生態系を生きてきました。
その中で、動物たちも植物も独自の進化を遂げてきました。
そんなオーストラリアの大自然に息づくものの1つがワイルドフラワーです。

ワイルドフラワーが多く植生するオーストラリアの南西部は、沿岸部は多雨の森林帯ですが、内陸から北へ行くにしたがい、乾燥した地帯へと変化し、内部は砂漠になっています。
沿岸部の森林地帯は植物の生きやすい環境ですが、その他の乾燥した地帯や砂漠は、多種多様な動植物が生息する魅力あふれる場所ではありますが、動植物にとって生きやすい環境とは言えません。
そんな厳しい環境の中で、多くの植物が環境に適応し、子孫を残すために独特の花姿へと変化を遂げてきました。
  
カラフルな花で昆虫を集めるものもあれば、甘い蜜や独特の匂いで動物や鳥たちを寄せ集めるものもあります。
それぞれが花粉や種を運んでくれる動物に合わせて生息範囲や花の咲く位置、形を変化させてきました。

  • バンクシア類は、花粉を運んでもらうために、花の蜜や花粉だけを食べる「ハニーポッサム(有袋類)」の生息範囲に応じて花の咲く位置をかえています。
  • カンガルーポーは、ミツスイと呼ばれる鳥たちに受粉を託すために、独特の姿をしています。
  • ハンマーオーキッドなどのランの一部は、雌のハチの姿に擬態し、雄のハチを呼び寄せて受粉をします。

ワイルドフラワーはドライフラワーに加工しやすい

ワイルドフラワーは丈夫なものが多く、また、ドライフラワーに簡単にすることができます。
生花の美しさを楽しみ、その後はドライフラワーになっていく経過を楽しめるのも魅力の一つです。

生花からドライフラワーへの楽しみ方

  1. 葉を取り除く
    水につかる茎の部分の葉は全て取り除きます。
    (葉が水に浸かったままだと水が汚れて濁りやすくなるので、しっかり取り除きましょう。)
  2. 茎を切る
    ワイルドフラワーの茎は固いものが多いので、斜めにハサミを入れると切りやすいでしょう。
  3. 花瓶に挿す
     ワイルドフラワーには、花が大きいものもあります。大きな花を入れるときには花瓶が倒れないように、水を多めに入れたり、花瓶の中にビー玉などの重しになる物を入れて、花瓶が倒れないように調整しましょう。
  4. ドライフラワーにする
     ワイルドフラワーは水に活けると徐々に花開く品種が多くあります。咲き切った後は、水から上げてそのまま飾っておけば、そのままの姿でドライフラワーとして楽しむことができます。
    ドライフラワーにした後も、スワッグにしてドアや壁、窓辺に飾っておけば、個性的な花姿がインテリアのアクセントになってくれることと思います。
    美しいドライフラワーを作ることが目的の場合は、生花として楽しむのは1~2日にして、すぐに水から上げてそのまま飾るか、茎が細いものは逆さまに吊るしてドライにしてから飾ってください。
    散ることが少ない綺麗なドライフラワーとして長く楽しめます。

おわりに

近年は、ワイルドフラワーを使ったウェディングブーケや、ドライフラワーに加工したスワッグなどが注目を集めています。
自然の中でたくましく育ったその独創的な花姿を楽しんでくださいね。

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