ガーデニングや公園でよく見る植物の中には、毒を持っているものがあります。
子供やペットも安全に過ごせるように、毒植物の種類と注意点をお伝えします。
また、イギリスにある毒植物エリアで有名な「アニックガーデン(Alnwick Garden)」もご紹介します。
ガーデニングに使われる毒のある園芸植物
ガーデニングで使用される植物も毒をもつものがあります。
肌が敏感な方やお子様が手を触れないように注意してください。植え替えの際は手袋を着用し、作業後は丁寧に手洗いをしましょう。
イソトマ
茎や葉に毒があります。
茎や葉を切った際に出る白い汁液でかぶれることがあります。また、目に入ると失明の恐れがあります。庭に植栽するときは子供の手の届かないところに植えましょう。
ニチニチソウ(ビンカ)、ツルニチニチソウ
全草に強い毒があります。
誤って口にしないように注意してください。
スズラン
全草に強い毒があります。
赤い実を食べたり、若葉をギョウジャニンニクと間違える例があります。グラスに活けたスズランの水を飲んだペット猫が被害にあうケースも報告されていますので、切り花で使う場合は特に飾る場所には注意しましょう。
スノードロップ(スズランスイセン)、スノーフレーク
全草に毒があります。
葉をニラと間違えたり、根をノビルと間違えて口にし、食中毒を起こす例があります。
スィートピー
種子とサヤに毒があります。
庭で育てるとマメができますが、有毒ですので食べてはいけません!切り花で使う場合は、食べなければ問題はありません。
ジキタリス(キツネノテブクロ)
全草に毒があります。
かつて長寿効果があるとされたコンフリーと間違え誤食する例があります。現在はコンフリーも有毒植物とされています。切り花で使う場合は、汁液が付いた時は、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
クリスマスローズ
全草に毒があります。
汁液に触れると皮膚がただれ、痒みが出ることがあります。葉切り作業の際には十分注意してください。また誤食すると嘔吐、痙攣などを引き起こし、最悪の場合心肺停止になるので危険です。
切り花で使う場合は、汁液が付いた時は、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
シクラメン
全草に毒があります。
汁液が皮膚につくと皮膚炎を起こすことがあります。また誤食すると嘔吐、下痢、胃腸炎などを引き起こし、大量摂取で死に至ることがあります。
ペットに注意!毒のある観葉植物
室内に飾られる観葉植物にも、毒をもつものがあります。
犬、猫、鳥などのペットが触れたり誤食しないように、置き場所には注意してください。万が一ペットが誤食した場合は、植物の種類と食べた量を把握し獣医さんに伝えられるように記録しましょう。
アンスリウム
葉や茎に毒があります。
葉や茎の汁液が皮膚に触れるとかぶれることがあります。切り花で使う場合は、汁液が付いた時は、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
アイビー
葉や果実に毒があります。
弱い人が汁液に触れるとかぶれることがあります。切り花で使う場合は、汁液が付いた時は、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
カラー
葉や茎に毒があります。
葉や茎の汁液が皮膚に触れるとかぶれることがあります。切り花で使う場合は、汁液が付いた時、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
スパティフィラム
葉や茎に毒があります。
葉や茎の汁液が皮膚に触れるとかぶれることがあります。
ポトス
全草に毒があります。
葉や茎の汁液が皮膚に触れるとかぶれることがあります。目に入ると結膜炎を起こしたり、口に入れると口内炎を起こすことがあります。
モンステラ
全草に毒があります。
葉や茎の汁液が皮膚に触れるとかぶれることがあります。 未熟果を食べると口内炎や胃腸障害を起こすことがあります
ポインセチア
全草に毒があります。
汁液に触れると皮膚がかぶれて水疱ができることがありますので、枝や葉が折れた場合、液に触らないように気を付けてください。
公園にある身近な有毒植物の種類
公園の花壇に植えてある草花や街路樹にも毒をもつものがいます。
子供のおままごとやペットが散歩中に触れたり食べたりしないように注意しましょう。
スイセン
全草に毒があります。
特に球根に毒成分を多く含み、誤って食べると食中毒を起こし、最悪の場合死に至ります。平らでまっすぐに生える葉をニラと間違えることがあります。また球根をノビルと間違えて食べてしまう例があります。
花の時期を過ぎ、葉だけになる4月?11月に誤食する事件が毎年起こっています。
切り花で使う場合は、汁液が付いた時は、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
ヒガンバナ(彼岸花)
全草に毒があります。
スイセンと同じく、特に球根に毒成分を多く含み、誤って食べると食中毒を起こし最悪の場合死に至ります。葉をニラと間違え、球根をノビルと間違えて食べてしまう例があります。
肌が敏感な人が汁液により皮膚がただれることもあります。
チューリップ
花や鱗茎(球根)にはアレルゲンが含まれているので、肌が敏感な人は汁液に触れると皮膚炎を起こす場合があります普通の人はほとんど害がありません。球根や葉を誤食すると嘔吐、下痢などの食中毒を起こします。
切り花で使う場合は、汁液が付いた時は、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
ハナミズキ
葉や果実に毒があります。
よく似ているヤマボウシの実は甘く食用にされますが、ハナミズキは有毒なので注意しましょう。また葉の表面に刺激物質があるため、触れると皮膚炎を起こす人もいます。
アジサイ
葉や花、茎などに毒があります。
花や葉を料理の飾りにし、それごと食べて食中毒を起こした例があります。アジサイを切り花で使う場合は、口にしなければ大丈夫です。
キョウチクトウ (夾竹桃)
花、枝、葉、根、果実全てに強い毒があります。
枝がまっすぐなため、BBQの串にして使い食中毒をおこす例が何件もあります。また、枝などを燃やした煙も有毒なので、キャンプの際には十分気を付けましょう。
ヨウシュヤマゴボウ
果実と根に毒があります。
ヤマゴボウという名から食用と勘違いして誤食し食中毒を起こす例があります。ヤマゴボウ漬けとよばれ販売されているものはヨウシュヤマゴボウとは全く別の植物です。ブドウのような実がなりますが、汁液で皮膚がかぶれることもあります、子供がおままごとに使ったり誤食しないように注意しましょう。
切り花で使う場合は、汁液が付いた時は、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
ハゼ、ウルシのなかま
ハゼノキ、ヤマハゼ、ヤマウルシ、ヌルデなどハゼやウルシのなかまは毒があり、触るとかぶれます。
雑木林にある複葉(小葉がたくさん集まり1つの葉となっている)の樹は要注意です!ツタに似た3枚の葉をもつツタウルシにも触れないように注意してください。
イチョウ
果実に毒があります。
外果皮にアレルゲンが含まれるため、子供や皮膚の弱い人が触れるとかぶれて痒みが出ます。また、食用にされる銀杏も一度に多量摂取するとおう吐、下痢、呼吸困難、けいれんを起こすことがあります。
フラワーアレンジメントで使われる毒のある植物
切り花にも毒をもつものがあります。
切り口から出る汁に触れないように、触れた場合はすぐに洗い流しましょう。また切り花を活けている水にも毒が流れ出るので、ペットや子供が口にしないように注意してください。
アルストロメリア
皮膚の敏感な人は汁液で皮膚炎をおこすことがあります。
汁液が付いた場合は、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
ブルースター
茎を切ると乳白色の液がでてきます。皮膚の敏感な人はこの汁液で皮膚炎をおこします。
汁液が付いた場合は、流水でよく洗い流せば問題ありません。ゴム手袋を着用するなど対策をすればより安全かと思います。
イギリスにある「アニックガーデン(Alnwick Garden)」の毒植物園
イギリスの北部にアニックガーデン(Alnwick Garden)があります。
このガーデン内には毒植物を集めた珍しい毒ガーデン(The poison garden)エリアがあります。以前訪れたアニックガーデンの様子をご紹介いたします。
入り口には「THE POISON GARDEN(毒の庭)の表記と、ドクロマークの入った厳重な門があり、「These plants can kill」と書かれています!
樹名板にドクロマークが書いてあり、檻や棺桶も置いてあります。
ここの植物は触るのはもちろん、近づいたり、匂いを嗅ぐのも禁止されています。
このエリアは専門家ガイドのツアーのみ入ることが出来ます。
恐ろしい毒ガーデンのあるアニックガーデンですが、園内には他にも様々なガーデンがありとても素晴らしい場所です。
アニック城
ガーデン隣のアニック城の広場は、映画ハリー・ポッターで箒の練習場のロケ地になりました。イギリス旅行の際にはアニックガーデンとアニック城へ是非訪れてみてください。
おわりに
今回ご紹介した植物は、毒をもつ植物のほんの一部です。
食用植物に似ている毒をもつ植物や、見た目がとても綺麗な毒植物もたくさんあります。
口に入れなければ害にならないものや、液に触れないように手袋をつければ影響が出ないものもあります。
有毒だからと全てを拒絶するのではなく、正しい知識をもって注意しながら植物たちと暮らしていきたいですね。
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農学部出身で、鳥取でイングリッシュガーデンのあるイギリススタイルフラワーアレンジメント教室のオープンに向けて勉強中。2019年に花農家として、夫婦で新規就農しました!育児と花仕事の両立を目指す二児のママです。
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