春を告げる梅。2年ほど前から、自宅の庭で梅の木を育てています。実がなれば、梅酒や梅ジャムにもできるため、花も実も楽しみたいと思い育て始めました。我が家の梅の木は花は咲くのですが、残念ながらまだ実がなりません。その理由を知りたくて、もう一度、梅の木の育て方を調べてみました。
梅の木の育て方
梅の苗木の選定
梅(ウメ):バラ科サクラ属
梅は、花を観賞する「花梅(はなうめ)」と、果実を食用とする「実梅(みうめ)」に分けられるそうです。花も実も、両方楽しめる品種もたくさんありますので、植える前に品種を調べることをお勧めいたします。
梅の特性として、「自家不結実性(じかふけつじつせい)」といって、1本だけでは(同じ品種の花粉どうしでは)実がつかない性質が強いそうです。そのため、結実させるためには、開花時期が同じで、花粉の多い2品種以上を近くに植える必要があります。
梅の品種の中でも、自家結実性の強いものをご紹介いたします。
「甲州最小(こうしゅうさいしょう)」「竜峡小梅(りゅうきょこうめ)」「花香実(はなかみ)」
さらに結実しやすくするためには、他品種をそばに植えると良いでしょう。
我が家の梅の品種は、「花香実(はなかみ)」と「鶯宿(おうしゅく)」です。
私が梅の苗の購入を検討していた時は、自宅近くの園芸店に相談して、実がつきやすい品種を教えてもらってから購入いたしました。地域の園芸店に相談すれば、どの品種の梅の木が、目的や地域の気候に合っているか教えてくれると思います。
梅は早春、地域にもよりますが、2月から3月頃に華麗な花を咲かせます。東海地方の我が家でも、今年もたくさんの花が咲きました。
「花香実 」は、八重咲のとても華やかな形をしている花です。観賞用としても楽しめます。自家結実性が強い梅です。
「鶯宿」は、一重咲きの淡いピンクの花が華麗で、こちらも観賞用としても人気の品種です。
梅の木の植え付け
品種にもよりますが、梅の木は剪定をしないと樹高が6?10mにもなるそうです。そのため、梅の木を植えるには、ある程度の広さがあり、日当たりや水はけのよい場所が適しています。
苗は、11月から2月頃の、葉の落ちている時期に植え付けます。
梅の木の水やり
梅の木は、地植えだと、「植えてから2年ほどは、土が乾いたらたっぷりと水を与える」ということなので、暖かい時期には土の様子を見て、管理しています。
冬場は、長い間、雨が降らないときに水を掛ける程度です。
梅の木は、しっかり根付いたあとは、よほど乾燥したとき以外、水やりをしなくてもよいようです。
梅の木の肥料と防虫
梅の木の肥料は、1年に2回、花が終わった後と、12月から1月に有機肥料を株元に置いています。
梅の木には、ウメケムシ、カイガラムシ、アブラムシなどの害虫がついたり、コウヤク病(カビの一種)、カイヨウ病(葉や実に茶褐色の斑紋がでる)、うどんこ病などが発生するようです。そのため、殺虫殺菌剤を予防散布します。
幸いなことに、我が家ではまだ大きな被害がでていないため、今のところ無農薬で育てています。とはいうものの、夏場には、近くに植えている柑橘系の果樹に虫がたくさんつきます。今は、どの果樹も樹高が低いため、虫を見つけたら取り除くようにしていますが、状況によっては、梅の木も含め、薬剤の散布も考えています。
梅の木の剪定
「桜切る馬鹿、梅切らぬ馬鹿」という諺があるように、梅は無駄な枝を切らないと樹形が崩れ、良い花や実がつかなくなってしまうそうです。また、苗を植えてからの年数により剪定の仕方が変わってきます。
梅の苗を植え付けて1年目の剪定
根木の成長を促すために、9月から10月に地面から30?60センチの高さになるように切ります。
梅の苗を植えつけて2年目の剪定
2年目は、少しづつ枝が伸びてくるため、幹から上に向かって伸びている状態の良い枝を3本ほど残して剪定します。12月から1月の時期に行います。
梅の苗を植えつけて3年目の剪定
3年目以降は、年に2回「夏季剪定」と「冬季剪定」が必要です。
「夏季剪定」
7月から8月頃。日当たりをよくして、栄養を行き届かせることを目的として、密集して込み合った枝を間引きます。風通しもよくなり、害虫がつきにくくなります。枝を根元から切り落とします。太い枝を切った際には、切り口から菌が侵入して病気になるのを防ぐために、保護剤を塗っておきます。
「冬季剪定」
梅の木を育てるうえで、特に欠かせないのが冬剪定です。春に樹勢を取り戻す前に剪定をして、樹形を整えておくことで、美しく健康的に成長を促すことができます。今後、梅の木を大きくしたいか、またはサイズを維持したいかによって切り方が変わります。
・サイズを大きくしたいとき
伸びた枝を、先端から5分の1くらいカットします。
・サイズを維持したいとき
伸びた枝を、半分くらいにカットします。枝の根元からカットすると花芽がなくなってしまうので、花芽が5つほど残るようにカットすることがポイントだそうです。
我が家の梅の木は2年半目で、まだそれほど枝が茂ってないので、夏の間引き剪定はしていません。冬季剪定では、もう少し大きくしたいため、伸びた枝の先端を軽く切るようにしました。
梅の実がならない!実をつけるまでに何年かかる?
前述したように、我が家では「実梅」の品種を2種類植えています。毎年、花は咲くものの、まだ実がなったことはありません。
桃栗三年柿八年、梅は酸い酸い十三年
「桃栗三年柿八年」という諺を聞いたことがあると思います。この諺には、「物事は一朝一夕にできるものではない。それ相応に時間がかかるものだ」という教えが含まれています。
この「・・・柿八年」の後に続きがあるのをご存知ですか?地域によって色々あるようですが、私は祖母から「桃栗三年柿八年、梅は酸い酸い十三年」と教えてもらいました。諺どおりだとすると、我が家の梅は植えてからまだ2年半。実がなるまで、まだまだ時間がかかりそうです。ただ、諺にある年数は、あくまでも種から育てた場合であり、苗から育てた場合には当てはまらないようです。
今、各地で栽培されたり、販売されている果実の苗木は、ほとんどが挿し木や接ぎ木で育てられたものです。
梅の実は3、4年でなる
挿し木や接ぎ木で育てられた果樹苗は、種から育てた苗よりも早く実をつけるそうです。
梅の場合、接ぎ木をして1、2年苗の場合、各家庭や農園で育て始めてから3、4年で実がなるそうです。ということは、接ぎ木苗を育てている我が家の梅の木も、今年か来年には実がなってくれるかもしれません。
実がなったら、またご紹介します!
おわりに
梅の木の育て方と、実がなるまでをご紹介しました。小梅など、鉢植えで育てられる品種もあるようです。
梅の花を楽しみ、実の収穫を心待ちに育てていきたいと思います。
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