花ことばをご存知ですか?
花の一つ一つに意味がつけられていて、「なぜこんな意味になったのかしら?」と興味がそそられますね。
地域や時代によっても異る花ことばの発展を、時代ごとに見てみましょう。
花を購入した時やプレゼントする時の参考にしてみてくださいね!
花ことばの発祥と歴史
花ことばは、イギリスのエリザベス朝時代からヴィクトリア朝時代にかけて発展しました。
もともとギリシャ・ローマの神話や北欧の伝説などが元になり、ヨーロッパの貴族文化の中で愛され育まれ、いくつにも重なりあって伝承され変化してきました。
ヨーロッパの貴族達は、花の持つ象徴性を利用して恋愛の駆け引きに花を贈っていたと言われています。
近代の「花ことば」は恋愛がテーマになっていますが
中世の花ことばは、宗教的な象徴として扱われていたのが特徴でしたので、近代的な花ことばとして成立するまでに、数百年の時間を要しました。
ですので、中世の花ことばは、近代の花ことばが出来上がるために重要な役割を演じたと考えられています。
一般的に知られている、近代的な「花ことば」は国によっても異なります。
アメリカでは、花ことばの創始者とされているのはティフィネクスです。
次に本格的に花ことばを確立したとされるヴアートは、アメリカ国有の植物の花ことばを様々に作り上げました。
ヨーロッパにはない、アメリカ特有の植物から花ことばが創作されたことは、
私達が常に、花と生活を共にし、密接な関係があったことを教えてくれる手掛かりになりますね。
花ことばの起原と歴史を探る
ギリシア、ローマ神話や聖書などに起原をもち、時代とともに共遷した花ことばの歴史
ギリシア、ローマ時代の花言葉
花ことばにまつわるギリシア神話の人や妖精が植物に変身する物語は、ほとんどが悲劇的なものばかりです。
ギリシア神話の花ことばの由来に関するものの中で、最もよく知られているのがスイセンです。
このスイセンがどの種類かは特定できませんが、ヨーロッパに広く分布するクチベニズイセンが候補に挙がるようです。
学名 Narcissus.Poetious は「詩人のスイセン」の意味と言われています。
スイセンにまつわる神話
ケピナス河神とニンフのレイリオぺの息子とされるナルキッソス。
彼の出生時、母レイリオペは予言者テイレシアスに
「ナルキッソスは、自分の姿を見なければ長生きできる」と予言されます。
美しく成長した彼は、数多くの女性から求愛されましたが、それをことごとく断ったとされます。
その中でも、ニンフのエコーは彼を深く愛していました。
しかし、ゼウスの妻のヘラの不興をかっていた彼女は、罰として相手の言葉をおうむ返しにすることしか出来ないようにされていました。
その為ナルキッソスは彼女の愛を無下にし、彼に恋い焦がれたエコーはやせ衰え、憔悴してただ声だけの存在になってしまいました。
そしてエコーは義憤の女神ネメシスに懇願し、彼が彼女以外の誰をも愛さないように呪いをかけたのでした。
ある日、ヘリコン山にある泉に映っていた自分の姿を見たナルキッソスは、自分自身に恋をしてしまいました。
幾日も飽きずに眺め続けた彼はやせ細り、ついには憔悴してついに死に至ったといいます。
その泉の傍らには一輪のスイセンの花が咲いており、それは神々によって姿を変えられた彼の形見であるとされています。
聖書の花ことば
聖書の中にはたくさんの植物が登場します。
聖書の植物に焦点を当てた著書の中でも、モンデンク「聖書の植物」では230種類ほどが扱われています。
その為、花ことばの中には聖書に由来するものも多いということです。
植物 | 花ことば |
リンゴの実 | 殉教、キリストの愛、神の愛、聖母マリア、秘義 | ユリ(シラユリ) | 純潔、純心、処女性 | スズラン | 純潔と謙譲、慎み深さ、よみがえった幸せ | スミレ | 誠実、謙譲、無垢 | イチゴ | 聖母、徳の成果、(花)先見の眼、(茎)完全性、全体として、愛情ならぬ敬慕 |
中世の花ことば
中世の花の象徴や、その時代に由来する花ことばに入る前に、当時の庭には大きく分けて修道院の庭と世俗(王使貴族、冨裕な商人)などの所有する庭があったことをお伝えします。
どちらも共通する特徴が見られ、それが花ことばと密接に結び付いているからです。
修道者は特に花を愛したとされており、どの修道院にもパラダイスと呼ばれる庭がありました。
世俗の庭は、花壇の中にはたくさんの花と共に、様々な果樹が植えられおり、中心部には泉や噴水が設置されていました。
植物 | 花ことば |
バラ | 誘惑 | イバラの枝 | 苦難 | オリーブの枝 | 平和 | レバノンスギ | 高質 | ヒソップ | 清らかさ、清浄 | ニガヨモギ | この世の辛さ、災難、悲しみ、道徳的厳しさ | ナツメヤシ | 勝利 | ヒソップ | 清らかさ、清浄 |
おわりに
花ことばの歴史を詳しく調べると、私達の暮らしからかけ離れた印象がありますが
なぜそのような花言葉になったかを知れば知るほど、興味深く、実際の花を見たり探したりしたくなりますね!
大切な人や友達の誕生日に、花ことばとその意味も添えて、プレゼントにお花を添えて送ってみてはいかがでしょうか。気持ちがさらに伝わったり、楽しい会話が広がると思います。
Atelier Fresh Greenの高橋和世です。大阪府羽曳野市でイギリススタイルフラワーアレンジメント教室を開いています。定年前から習い始めて、定年を迎えた今年、フレッシュフラワーとプリザーブドフラワーと、両方教えることができるようになりました。お花の資格を取りたいあなたの力になりたいと思っています。
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