今回は茎の上部で多数に枝分かれし多数の花をつける、1本でもボリュームがあるスプレータイプのお花をご紹介します。
太い茎から放射状にこんもりと咲きそろいます。別の呼び方はスプレー咲きとも言います。
スプレーの語源
英語でSprayと書きます。意味は「しぶき、しぶき上の物、霧を吹く」または「先が分かれて葉や花のついた小枝、枝・花などの束」など。花に使うスプレーは「先が分かれている小枝」が由来です。
1本の茎に数輪の花がついているもの、枝分かれして咲いているものを意味します。
枝分かれしたものをスプレータイプと呼びます。
スプレータイプとスタンダードタイプの花の育て方・作り方
植物の多くは「頂芽優勢」という性質をもっています。茎の先端にある芽が側芽より優先的に育つ性質です。その為、先端の芽を摘んでやることで側芽の成長を促し、それぞれの側芽に花を咲かせることができるのです。
1つの茎でできた多数のつぼみを摘み取って、一つにして大きく咲かせるのがスタンダードタイプと呼ばれ、摘芯をして枝分かれを多くさせて花数を多くするのがスプレータイプと呼ばれています。
花農家さんが手間暇かけて、スタンダードタイプとスプレータイプを作り分けてくださっているのです。
スプレータイプとスタンダードタイプの見分け方
枝分かれして複数の花がついているスプレータイプと、茎の先に1輪だけついているスタンダードタイプの見分け方を、カーネーションでご紹介します。
スプレータイプ
枝分かれして小さなカーネーションの花がたくさん咲いているものをスプレータイプと呼びます。
スタンダードタイプ
1輪だけ咲くものをスタンダードタイプと呼びます。
一般にスタンダードタイプよりスプレータイプの方が、1輪の大きさは小さいですが、種類によっては大きなものもあります。
スプレータイプは、1本でボリュームを出しやすいので花束やアレンジに適しています。
スプレータイプと呼ばれる4種類の花
今回は、花屋さんでもよく見かける4種類のスプレータイプの花をご紹介いたします。
*スプレーバラ
*スプレーカーネーション
*スプレーストック
*スプレーマム(スプレーキク)
スプレーバラ
科・属名: バラ科バラ属
学名: Rosa
和名: 薔薇
別名: ローズ
英名: Rosa
原産地: 北半球の亜熱帯から寒帯にかけて広く分布・アジア、ヨーロッパ、中近東、北アメリカ、アフリカの一部
バラの花言葉で有名なのは「愛」。告白やプロポーズにも定番の花言葉です。スプレーバラもバラなので花言葉はほとんど同じですが、スプレーバラ特有の花言葉は「温かな心」「包容力」などです。バラは本数によっても花言葉に違いがあることでも有名ですが、その場合スプレーバラは花の数ではなく本数に準ずるようです。
スプレーカーネーション
科・属名: ナデシコ科ナデシコ属(ダイアンサス属)の多年草
学名: Dianthus caryophyllus
和名: オランダセキチク
英名: carnation
原産地: 南ヨーロッパ、西アジア
ボリューム感のあるフリルのような花びらと香りが魅力の花です。
スプレータイプのカーネーションの花言葉には、「集団美」「素朴」「熱愛」という意味がつけられています。
スプレーストック
英名の「Stock(ストック)」は、茎や幹という意味で、この植物の茎が太く丈夫であることに由来するといわれます。
この植物は江戸時代に日本に持ち込まれ、和名では紫羅欄花(アラセイトウ)と呼ばれます。
科・属名: アブラナ科アラセイトウ属(別名:マッティオラ属)
学名: Matthiola incana
和名: 紫羅欄花(アラセイトウ)
別名: ストック
英名: Stock
原産地: 南ヨーロッパ
良い香りと、茎の上部に3?5本の枝が名前の通りスプレー状に広がるという種類です。
咲き方は、一重咲きや八重咲きと様々であり、切り花に用いられることが多く、フラワーアレンジメントにも向いています。
ストックには全体の花言葉、そして色別の花言葉が存在します。
全体の花言葉は「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」「豊かな愛」です。
(写真スプレーストック)
スプレーキク(スプレーマム)
科・属名: キク科キク属
学名: Chrysanthemum
和名: イエギク
別名: ホシミグサ・チヨミグサ
英名: florist’s chrysanthemum
原産地: 中国
マムとは学名Chrysanthemum(クリサンセンマム)の略で「黄金の花」という意味があります。マムとは生花流通する菊のうち、和菊と小菊(白、黄色、赤の一般的なお供えの菊)を除く洋菊を指します。
形状ごとにスプレーマム、ピンポンマムなどそれぞれの名称で呼ばれています。
この種類はスタンダードとスプレータイプがどちらとも多く出回っているので区別するためにスプレーと呼んでいます。
(写真スプレーマム)
*参考:トルコギキョウやナデシコは茎に数輪の花がついていますがスプレータイプとは呼びません。
スプレータイプの花の楽しみ方
ボリュームを出したいとき、又、アレンジをするときに切り分けて使いたいときはスプレータイプが便利です。切り分け方をご紹介いたしましょう。
スプレータイプの切り分け方
スプレータイプの切り分け方は、枝分かれしているところから切り離しましょう。
切り分けたら、お家にある花器や、空き瓶などに飾ってみましょう。
切り分けたスプレータイプの花の飾り方
切り分小さく切り分けて、背の低いビンや花器に飾ると、小さいながらも華やかな感じがだせるでしょう。
花瓶の選び方
スプレータイプの花を切り分けて使う時は、上の写真のように小さなガラス瓶やショットグラス、ミルクピッチャーなど、花瓶でなくてもよいですね。普段使っていない食器、コップや器なども花を飾るのに適しています。
少ない数のスタンダード咲きの花(1?2本)や、スプレー咲きの花を切り分けずにを飾る時は、口のすぼまった瓶や一輪挿しが向いています。
適した飾る場所
切り花を飾るのに適した場所のポイントは3つ。
1.直射日光があたらない
2.直接エアコンや扇風機、窓の風が当たらない
3.気温が低い所
上記のことに気を付けて、花のある暮らしを楽しんでくださいね。花のある暮らしをはじめたいあなたのご参考になりましたら幸いです。
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Atelier Fresh Greenの高橋和世です。大阪府羽曳野市でイギリススタイルフラワーアレンジメント教室を開いています。定年前から習い始めて、定年を迎えた今年、フレッシュフラワーとプリザーブドフラワーと、両方教えることができるようになりました。お花の資格を取りたいあなたの力になりたいと思っています。
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